【トヨタ スープラ D03】新色を一から調色した時に気をつけたこと

ペイント

どうも、KOBAです。

今回は
現行スープラの『D03』の新色を一から調色した時に
僕が気をつけたことを
3つのポイントに分けて
解説していこうと思います。

結論から先に言うと

・入ってるメタリックの種類
・メタリックの割合
・入ってる原色の割合

こんな感じです。

なんでこんな記事かと言うと、

滅多に入ってこない、
『トヨタ 現行型スープラ』
の仕事を担当することになって、
自分に対するメモも兼ねて記事に残そうと考えたからです。

しかも最上グレードの『GR』

もうかなり緊張ですよwww

普段はそんなに高い車を触る機会が少ない会社でして、
こんな1,000万もする車って
まぁ〜触らないです。

そんな車任せられちゃって
『どーしよ??』
ってのが素直な感想ですね。

でも、
新しい色を調色するのは好きですから
ワクワクでした。

それじゃ解説です。

入ってるメタリックの種類

まず、配合データと比べると
実車の方がメタリックが細かいです。

うちの塗料メーカーでいうところの
『荒め』と『細め』

それぞれおなじ割合くらいで入ってました。

ていうことは
その割合を変えよう!
ってことになるんですが、

なんとなくの読みどおり
どうやらメタリックの『種類』
も違うみたい。

『こりゃ時間かかるかも…』って
感じでした。

 

やっぱり、
新色だろうが
既存の色だろうが
『入ってるメタリックの種類』
がある程度理解出来てなければ
僕の経験上難しい印象でして

どんなに頑張っても
なんか『色の雰囲気』
が寄ってこないんですよ。

なんど痛い目にあったことか…

 

今回のスープラに関しても
そもそも、塗料メーカーで出してる

『配合データ』

が一つしかない時点で
他と比較できませんから
『ほぼ自分で配合を作る』
確定でした。

自分の持ってる原色サンプルで確認すると

『スタンダードタイプ』

『真ん中くらいの荒さ』

『スタンダードタイプ』

『細かいヤツ』
かな?
ってなりました。

メタリックってタイプが3種類あって

『スタンダードタイプ』
『コインタイプ』
『ラウンドタイプ』

の3種類です。

スタンダードタイプ

イメージ:『こんぺいとう』

特徴:『ギザギザしててツノがあるから、どの角度もちょっと暗く見える』

 

コインタイプ

イメージ:『鏡』

特徴:『明るい角度はめっちゃ明るい、他の角度は暗い』

 

ラウンドタイプ

イメージ:『パチンコ玉』

特徴:『どこでも明るく見える』(白くなる)

こんなです。

以前こんな記事【難しく無い理由!】メタリック調色の方法とコツってのを書いたんで、
そこでも解説してます。
時間ある時読んでもらえると嬉しいです。

で、種類がなんとなく決まったところで
次は『割合』です。

メタリックの割合

配合全部に対しての
メタリックの割合は7割くらい

その7割から
細かいの7荒いの3くらいからスタートです。

上で割合にも触れてますけど、
もともと、『荒いの』と『細かいの』
半々くらいで配合されてました。

けど、実写はもっと『細かい』んで、
その辺変えてきます。

この『割合』も考えてかないと
全体の雰囲気合わないんですよね〜

僕の経験上
荒いのが多いと『鮮やか』になりますし、
細かいのが多いと『濁った感じ』になりました。

 

これ、僕の中の割合決める重要ポイントなんです!

 

塗装初心者の当時はどうやったら
色が『鮮やか』になるのか?
どうしたらもっと『濁る』のか?
全く知らなかったから

闇雲に色入れて、
合わなくて先輩に聞いても解決しなくて

何時間も調色に時間取られてました。

嫌になるくらい調色したのに色が決まらないとかって

どんだけ生産性低いんだよって感じですよね…

 

もっと早くそのこと知りたかったです。
完全に自分の勉強不足ですね〜
反省してます。

 

話戻すと、
今回のスープラは『少し濁ってる』感じなんで、
細かいのが多いって予想です。

実車の比較でも細かいって印象でしたから、
方向性は間違ってないと思って調色開始です。

 

とりあえず
荒いの3:細かいの7
の割合でスタートです。

 

入ってる原色の割合

うちの配合データは
6つの原色が『同じ割合』くらいで入ってました。

あ、黒は少し多めでしたね。

でも実車は
全体として若干『青』が強い雰囲気。

ていうことで、
青系+10%くらいからスタートです。

 

入ってる原色はシンプルに
『青』
『紫』
『黒』
の3種類

それぞれに方向性の違う色が2種類

合計6種類の色原色が入ってました。

 

D03って
濃いわけでもなく
薄いわけでもなく
絶妙な感じですwww

こういう『青』と『紫・赤』
入った色って、
メタリックの種類・割合に『ものすごく』影響される
だと思ってます。

 

それによって色が『鮮やか』にも『ぼやけた色』
にもなりますから、
ぶっちゃけ
『メタリックの種類』と、その『割合』の時点
大体は調色って終わってるんですよね。

 

以前は配合の『数値』を行ったり来たりして、
かなり時間のロスがよくありました。

『青いな〜』と思って抜いたら、
今度は赤くなりすぎて、また『青』足したり。

いつまでもいいバランス見つかんなくて
無駄に調色を繰り返してました。

仕事止まってみんなにも迷惑かかるし
自分は焦って仕上がり微妙になるし、
もう最悪です。

 

今考えると、
そもそもの
メタリックの種類や割合が違ってたんですよね。

そりゃ頑張ってもいいバランスにならない訳だ!
って今なら理解出来ます…

 

だから、
新色でも既存の色でも
僕は例外なくメタリックを合わせてから
原色を合わせてます。

厳密に言えば、
頭の中でイメージしながら
2つ以上の項目を変えつつ調色してるんですけどね。

 

実体験として、
割合がブレてるから色が合わないだけで、
それがあってると本当にすぐ終わります。

足りない、もしくは入りすぎてる色を見つけて
調整するだけであっという間です。

 

もし、
『なんか色のバランス変なんだよな〜』
って時はメタリックから見直す
案外すんなり解決するかもしれませんよ!

 

まとめ

それで、
結局最終的な配合ですが、

メタリックの配合の比率

『真ん中くらいの荒さのメタリック』:2.5割
『細かいメタリック』:7.5割

それぞれメタリックの量: + 15%増し

どちらも『スタンダードタイプ』

原色:『青系』を + 10%増し

メタリックの添加剤:全体量に対して 2%

こんな感じになりました。

あくまで参考程度です。

 

調色しての僕の感想は
『バランスが難しい』
って印象でした。

『メタリック』・『原色』・『添加剤』

それぞれがいいバランスじゃないと
雰囲気が合わなかったです。

 

でも、なかなか入ってこない
珍しい車の珍しい色を調色できて
とても楽しかったし、勉強になりました!

これからも普段の仕事で気になったこと
勉強になったことなど

備忘録的に書いていこうと思いますので
よろしくお願いします!

それでは!

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