【現役ペインターが体感!】フラッシュオフタイムが重要な理由3つ

ペイント

どうも、KOBAです。

つい先日、塗装中の出来事で

 

KOBA
KOBA

『フラッシュオフタイム・セッティングタイム』
ってやっぱり重要だよな〜

と再確認した事例があったんで、
今回は
『フラッシュオフタイム・セッティングタイム』
について、
僕なりの考えで記事を書いていこうかな〜と。

全国大会の練習の時にも

精度上げるためにもメッチャ気してたポイント
ですし、

実際に僕が
年間600台塗装する中
で試しての結果なんで
それなりには信頼性はあると思いますよ。

記事の内容はこんな感じになってます。

  • フラッシュオフタイムが重要な理由3つ
  • フラッシュオフタイムはどのくらい時間がいいのか?
  • 実は作業時間短縮になってる
  • まとめ

 

なんでそう思ったかというと
つい最近
塗装中にコンプレッサーが動かなくなって
強制的
『フラッシュオフタイム』
『セッティングタイム』
を取らされたことがもとになってます。

 

ちなみに
セッティングタイム・フラッシュオフタイム

って言葉を初めて聞いた人のために少し解説です。

セッティングタイム

・塗料を塗った後,流動性がなくなるまで放置する時間。


フラッシュオフタイム

・ウエットオンウエット塗り(※1)で,
続けて塗るときに必要な塗装間の時間,
又は加熱乾燥若しくは放射線硬化の前に揮発成分の大部分を蒸発させるために必要とする時間。
備考:フラッシュオフは,
被塗物の表面に塗着した塗料に含まれる揮発成分のうち,
大部分のものを次の塗装工程又は焼付け工程に移る前に蒸発させることをいう。
単にフラッシュと呼ぶこともある。
フラッシュオフさせるのに要する時間をフラッシュオフタイムという。
参考追記:(※1)ウエットオンウエット塗りとは,先に塗った塗膜層が乾燥する前に次の塗膜層を塗り重ね,複合層を一つの膜として乾燥する方法のことです。

出典:技術情報舘 SEKIGINより

です。

 

それで、
どのくらい時間取ったかって言うと

30分
です。

普段のウチの作業時間からしたら
間違いなく
取りすぎなくらいの時間
なんですね。

で、どうなったかと言うと
塗装の仕上がりがメッチャ良くなりましたwww

具体的には

クリアのツヤの残り具合と肌の均一性
ベースコートのメタリックがキレイにならんだこと

ちょっとマニアックかもしれませんけど、
こんな感じです。

 

普段はそこまで時間って取れないから、
『フラッシュオフタイム・セッティングタイム』
考え方・重要性を再確認するには
イイ機会でした。

それでは解説行ってみましょう!

 

フラッシュオフタイムが重要な理由3つ

僕が実作業で感じる不具合っていうのが

・シンナーが抜ける時に小さい穴が空いてツヤがなくなって見える
・クリアを塗った時にベースが動く戻りムラが発生してしまう。
・調色時と色が変わる

この3つなんですよね。

それぞれに
『フラッシュオフタイム・セッティングタイム』
重要になってきますから僕なりに説明していきます。

シンナーが抜ける時に小さい穴が空いてツヤがなくなって見える

ツヤが引けて見える原因に
『フラッシュオフタイム・セッティングタイムの時間が短い』
ってのがあるんですが、

クリア塗装終わった時には


『ツヤツヤでメチャイイ感じ♪』

だったのに、乾燥終わりに見たら半ツヤくらいで


『え?? ツヤないじゃん…』

みたいな経験ありませんか?

僕は結構あったんですよね。
特に
『3コートパール』

 

何でかっていうと

塗膜に残ったシンナー分が蒸発する時にできる


『小さな穴』

それが
原因
の場合もあるんですよね。

名称は何だろ?
『ピンホール』でイイはず。

乾燥終わりに塗膜をよく見ると
『小さい穴』

たくさん空いてることに気づく
と思います。

 

僕がツヤ引けで悩んでるときに

『なんでかな〜?』

って不思議に思ってたら

塗装の先生に

『フラッシュオフタイムかセッティングタイムが短いんじゃないかな?』

と、アドバイスもらったのがきっかけで知りました。

どうやら

乾燥が微妙なシンナー分が十分に抜け切る前の
塗膜の上から次の塗装をしてしまうと
シンナーが抜ける時に小さな穴を開けてしまう

っていう理由。

それが多いと表面が平らじゃないんで
そのせいでツヤがなくなったように見えるって感じです。

 

塗装においては基本的なことかもで

『自分で調べろよ!』

って今なら思いますが

当時はそんな考えなかったし

教えてもらったことが全てって感じ
だったんで
まだまだ甘かったです…

 

なので、
塗料同士の馴染みの問題も出てきますけど
いかに
シンナー分を抜いておくか
ってのも
塗装の大事なポイントになってきますよね。

 

クリアを塗った時にベースが動く戻りムラが発生してしまう。

僕はクリアをガッツリ塗り込んだ時とか戻りムラやっちゃってました


フラッシュオフタイムの時間短い
とコレやっちゃうんですよね〜

 

戻りムラってこんな現象です。

〔現象〕 ●メタリック(パール)の並び方が不均一 で、部分的に並び方が違うため発色状態が異なる。
〔原因〕 ●メタリックをスプレー塗りした時 にアルミの並びが不均一となる。
または、クリヤー塗装した時にア ルミが流動・浮遊し不均一な配列 となる。
メタリック塗装時のムラ…吹きムラ
クリヤーがけで起きるムラ…………戻りムラ
出典:https://www.kansai.co.jp/

僕は基本せっかちなんで
気を抜いてると今でも

『ヤバいか⁉︎』

って焦る時ありますよ。

ベースコートが終わって、
いざクリアをガッツリ塗り込んだ時に
ベースコートの乾燥が甘い

この現象起きるんですよね。

クリア塗り切って確認してると
パターン通りに
『横シマ』みたいに
メタリックが戻ってムラ
になってる…

見つけたときのショックはかなりデカいですよね。

 

対策は『シッカリとフラッシュオフタイムを取る』
しかないんですけど

後輩とかに

『どのくらい取ればイイんですかね?』

って聞かれる時

僕は10分以上っていつも答えてます。

もちろん
塗る色や季節、気温
によって微妙に変えますけど、
基本は10分以上〜で落ち着いてます。

 

いくらキレイにベースを塗り切っても
どんなにクリアがイイ感じでも

最後の最後でコレやっちゃうと
塗り直し確定

精神的ダメージがハンパじゃないので
年間通して僕がいつも気にしてるポイントです。

 

調色時と色が変わる

塗りあがった車見ると
『調色時と色が違う』ってことないですか?

僕もたまになりますし、
ウチのペインターたちが
塗り直しになる原因はほとんどがコレ
です。

 

いろんな要因はあると思いますけど、
『フラッシュオフタイム』
の時間をちゃんとしてなくて
『ウェットコントロール』
不十分になってるのが

デカい要因
じゃないかな〜と僕なりの考えです。

 


調色時のウェット感と本番のウェット感

できる限り
一緒
にするためには
『フラッシュオフタイム』
ってメチャメチャ重要で、

1コートごとで気にしてないとトータルで変わっちゃうんですよね。

『最後だけ同じくらいのウェット感にしとけば大丈夫でしょ!』

みたいなこと、ウチのペインターさんたちよく言うんですが、
それやってみると
全く合わない
ですwww

 

僕自身、実際に大会の練習の時にも
『調色時との再現性』
って部分で、ものスゴく
苦戦したポイント
ですし、
今でも苦戦中なんですよね〜www

ほんと難しくて
『調色時との再現性って、ほぼ無理じゃね?』
って思うときはぶっちゃけしょっちゅうあります。

でも、この仕事好きだから
少しでも
スキルが上がる
ように

日々勉強
なんですけどね!

 

フラッシュオフタイムはどのくらい時間がいいのか?

それで、
具体的な時間ですけど

自分は

ベースコート間は2分〜5分
クリア前は10分〜15分
クリア後の乾燥に入る前は15分以上

を目安に時間取ってます。

 

僕はベースコートは
一気に塗り重ねてしまう時
が多いんで
ウチの他のペインターと比べて

ちょっと短め
になってます。

塗料のなじみって部分でも短めが個人的には好きなんです。

 

今のところ
この時間設定で年間通して不具合
特に出てないんで
問題ない
かと。

 

各時間設定が短いと上で書いたような不具合が出ることもあるんで
時間の設定は大事ですよね。

 

ウチで使ってる
イサム塗料
の推奨は

ベースコートは5分以上
クリアは15分以上
強制乾燥前のセッティングは30分

となってるみたいですね。

特に
クリア前のフラッシュオフタイム
クリア後のセッティングタイム
はできるだけ時間は取るように
していますけど、

正直、
セッティングタイム

30分ってなかなか
取れないのが現実
かな〜って…

そのくらい時間取れれば仕上がりよくなるのはわかってんですけど、
作業に追われてたら、なかなか時間取れなくないですか?

 

それでもできるだけ仕上がりを良くしたいんで
僕は
他の作業時間を短縮
して
フラッシュオフタイムとセッティングタイム

時間を取れるように工夫
してます。

 

実は作業時間短縮になってる

ちゃんと『フラッシュオフタイム・セッティングタイム』
取るのって実は
『時間短縮』
になってんるんですよ。

 

ここまで
『フラッシュオフタイム・セッティングタイム』

大事だよ
って話を書いてきたわけですが
それによってトータルの仕上がりは確実に良くなりますよね?

仕上がりが良くなれば
当然、
塗り直し
とか

手直しの時間
って減るわけで、

それだけでもデカい視点から見れば
『時間短縮・効率アップ』

につながってるんです。

 

でも、もしかしたら
『そんな時間ねーよ』
って言う方もいると思います。

そりゃそうですよね。
次々に塗らなきゃ自分の仕事終わらないですから。

 

その考えは僕もそうでしたから理解できます。

でも、例えば
戻りムラのせいで塗り直しになれば

1台分の材料費・下地、マスキング、塗装の時間
が余計にかかっちゃいますし、

クリアがピンホールだらけツヤがなくなってれば
塗り直しにならないにしろ

ツヤを出すのに磨きの時間をかなりかけなくちゃならない。

なんてことも考えられるわけですね。

 

そうなると、
1台の塗装時間が例えば30分伸びても
トータルの工数とか時間考えたら

コスパ良くないですか⁉︎

僕はこう言う考えで
例え時間がかかっても


その後に控えてる工程
の人が

楽に時間が短く作業できた方

最終的に車1台にかかる時間を減らせるんじゃないかな〜
と思ってます。

 

なので、
僕の結論として
『フラッシュオフタイム・セッティングタイム』
はできる限り
シッカリ取る方


時間短縮
につながってると思うんですよね。

 

まとめ

ちょっとマニアックな記事になっちゃいましたね。
以上が僕が思う
『フラッシュオフタイム・セッティングタイム』

大事な理由
でした。

 

この職業やってるといつも

『どうにか今より仕上がりよくでいないかな〜』

とか

『もっと自分のスキル上げたいな〜』

みたいな自己成長を狙った思考って
少なからず誰でもあると思ってます。

 

今回の内容はそんな

『今よりもう少しクオリティー上げたい』

って人向けに書いてみました。

少しでもそんな人の参考になれれば幸いです。

実践してると
他のペインターさんに

『仕上がり良くなった』


『磨きやすい』

などなど

実作業の中から
客観的にフィードバック
をもらえるんで、
メッチャためになりますよ。

これからも
楽しくスキル磨いていきましょう!!

他にも自己成長の記事いろいろ書いてます。
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それではまた!

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